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経営者は企業目的や目標を実現するためにMCSやその中核の管理会計システムを用いてどのような世界を築こうとしているのか?サーベイ調査・インタビュー調査をもとに解明。
本書は、経営管理システム(Management Control System:MCS)がいかにデザインされていくのかを中小企業を事例として検証しようとしている。中小企業の組織構造は大企業に比して簡素であるため、MCSの導入が組織に与える影響を直接的に観察可能である。また、MCSの「デザインは、現場において、個別的な状況のなかからうまれてくる」(梅棹1989)ため、個別企業の事例を調査することで「MCSがいかにデザインされるのか」に迫ろうとしている。MCSが持つべき基本的な設計思想を示すことで、研究者のみならず、日々奮闘されている経営者やサポートする職業会計人の皆様へ実務的な示唆を与えることをねらいにしている。
マネジメント・コントロール・システムのデザインー情報デザインに関する議論から/第1部 中小企業におけるマネジメント・コントロール・システムの全体的傾向(マネジメント・コントロール・システムのデザインを考察する対象としての中小企業/中小企業における経営管理・管理会計実践に関する実態調査ー福岡市内・熊本市内の中小企業を調査対象として/中小企業におけるマネジメント・コントロール・システムの利用に関する実証分析ー企業規模と利用状況の関係性を中心に/中小企業のマネジメント・コントロール・システムと組織成員の動機づけに関する実証研究ー熊本県・福岡市内の中小企業を対象として)/第2部 中小企業におけるマネジメント・コントロール・システムの個別事例(中小製造業に見る管理適合的な記録とはー「管理中心主義」からの検討/小規模製造企業におけるマネジメント・コントロール・システムの設計と運用ーアイダメカシステムの事例/創業者の経験と勘の共有化を図る経営管理システムの構築ー聖徳ゼロテックの事例/老舗中小企業における直接原価計算の導入と実践ー藤安醸造における部門別限界利益管理の展開/組織成員の自律を促すマネジメント・コントロール・システムの設計と運用ーゲイトにおける事業構造の変化に伴う業績管理システムの整備を題材に ほか)/研究のまとめと今後の課題ー中小企業・小規模企業の管理会計実践に見えるシステム設計のポイント
飛田努(トビタツトム)
福岡大学商学部准教授。神奈川県出身、立命館大学大学院博士課程後期課程修了(博士(経営学))。九州東海大学、東海大学熊本キャンパス、熊本学園大学を経て現職。現在、日本経営会計専門家研究学会常務理事、日本会計教育学会理事、日本中小企業学会幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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