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女は907号室。オーシャンフロントのデラックスツイン、シングルユース。男の部屋はその真下、807号室。スタンダードツイン、シングルユース。女は誰もが名を知るシナリオライター。そして男は、知る人ぞ知る、かつての有名脚本家…。二月。沖縄。シーズンオフのリゾートホテル。その一階、“サンセット・バー”で、再会する二人。3年前に失くした恋を、いまふたたび、紡ぎあうために…。
第1幕(一日目の午後一時頃/その日の夕方/二日目の午前十一時/その直後/その日の夜九時頃)/第2幕(三日目になったばかりの深夜/三日目の午前十一時前/その日の夜/四日目の昼/一週間後の午後)/キャスト鼎談(役所広司×永作博美×国村準)/プランナー鼎談(野沢尚×宮田慶子×岩代太郎)/ふたたびの恋~オリジナル・サウンドトラック・アルバム曲目解説
野沢尚(ノザワヒサシ)
1960年愛知県名古屋市生まれ。83年日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。83年『Vマドンナ大戦争』で城戸賞準入賞。テレビ脚本『結婚前夜』(98年)、『眠れる森』(99年)で向田邦子賞受賞。現在も第一級のシナリオライターとして映像界で活躍中。2001年、2002年文化庁芸術選奨文部科学大臣賞〈放送部門〉受賞。小説家としては、97年『破線のマリス』で江戸川乱歩賞受賞デビュー。『恋愛時代』で島清恋愛文学賞受賞、2001年『深紅』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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実際は☆3.5。
あぁぁぁ、やっぱり野沢氏は好きです。
野沢氏のミステリは(恐らく)全て読んだのですが、何故かミステリ以外は避けていました。
恋愛をテーマにした短編が三作と、遺稿が収められています。
愛情とか、思いやりとか、そういったものへの共感・気付きはもちろんのこと、野沢氏の文章構成力は、やはり類い稀なものがあると、改めて感じ入りました。
情景が浮かぶ描写、登場人物と同じように高揚し、読み進めるスピードを上げていくテンポの良さ、その後、登場人物と一緒に落ち着きを取り戻し、じっくりと読ませる文面。
活字を追う楽しみを与えてくれる、数少ない作家だと思います。
もっともっと、沢山の作品を遺してほしかったです。
季節外れの沖縄のリゾートホテル。その2階にあるサンセットバーは、バーテンダーである澤田の城。
そこにやって来た宿泊客の室生晃一は、かつての人気脚本家で、彼のドラマを見ていた澤田は、彼の正体にすぐに気付いてしまう。
そして。その室生がシナリオライターのスクールで講師をしていたときの教え子であり、元愛人の大木新子も同じホテルにやってくる。彼女は現在、超売れっ子のシナリオライターだ。
バーで再会した二人は、やがて新子の新作のプロット作りのためのセッションを始めることになるが......。
2015年9月15日、読了。
初稿からボツにしたセリフや、稽古中に足されたセリフや設定などが野沢さんの解説と共に挿入されていて、そこもまた楽しめました。
室生は野沢さん自身ではないけれど、野沢さんを反映させた人物だと思わされます。
室生が新子に「このストーリーで、君は何を祈る」と聞くシーンがあるのですが、野沢さん自身、作品には祈りをこめて書いている、と。
その祈りを感じられる作品が野沢さん作品にはたくさんあるなぁと、しみじみしてしまいました。
2003年の夏祭が終わった。
(中略)
「次の舞台では何を書くのだ?」と自分に問いかけてみる。
書きたいものは、もちろんあるさ。
そうあとがきで書いていた野沢尚さんは、1年も経たない2004年6月28日に自らの命を絶ちました。享年44歳。
作中に「数字の取れない文学脚本家」と言われたことがある、という記述があります。数字が全てではないはずなのに、そればかりが注目されるテレビ界。
今回、読み返してみて思ったこと。野沢さんはそんなテレビ界に絶望して、大切な祈りを失くしてしまったのでしょうか。本当に悲しいです。
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